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【Hatsuly導入事例】立会い「3割→約1割」。浜寺大橋補修で“机上確認”と帳票自動化を実現(株式会社五大コーポレーション)
株式会社 五大コーポレーションは、環境保全を軸に公共工事を中心とした土木施工を手がける建設会社です。橋梁耐震工事、木造橋補修、下水管改築、推進管工事など幅広い実績を有し、「省力化・省人化」による持続可能な施工管理の実装に取り組んでいます。
【目次】
-株式会社五大コーポレーション 上川路様
工事の概要と従来の課題
ー今回の現場について教えてください
上川路様:対象となったのは、堺市発注の浜寺大橋(下り)補修工事(第2期)です。全体延長150m・橋幅16mの上下線分離橋で、そのうち75m区間を施工範囲としました。
主工種は塗装で、付随工種として断面修復とひび割れ注入を行いました。
ー従来の出来形管理や数量計算では、どのような課題がありましたか?
上川路様:すべての補修箇所で深さ計測とメジャーを当てた写真撮影を行い、そのうち約3割の箇所では発注者とともに立会い確認を実施していました。これだけでも多くの時間を費やしていました。加えて、こうした確認を終えなければ次工程に進めず、工程が2〜3日止まることも少なくありませんでした。
発注者に分かりやすく伝えるために、写真に加えてCADで展開図を作成することもあり、作業負担は非常に大きいものでした。
Hatsuly導入の経緯とその成果
ーHatsulyを導入したきっかけと決め手を教えてください
上川路様:きっかけは大阪府主催のICT講習会でした。モバイル端末で点群を取得して土量を算出するソフトを体験し、「既にこうした技術があるのなら、断面修復やひび割れにも適用できるソフトが存在するのではないか」と考えて検索し、Hatsulyに出会いました。
導入の決め手は、帳票を自動で生成できる点です。展開図や数量算出を一括で自動化できる点が非常に魅力的でした。加えて、会社として新しい技術を積極的に取り入れていく方針がありました。
また、私自身の個人ミッションとしても「新技術を活用して生産性を高める」ことを掲げていたため、Hatsulyはその両面で合致する選択でした。
ー導入してみて、どのような効果が得られましたか?
上川路様:大きな効果を実感したものとしては立会いの省力化です。従来は全体の3割程度を立会い対象としていましたが、今回は事前に3Dモデルと計測値を共有し机上確認を行ったことで、立会いは約1割まで減らすことができました。現地ではごく一部の抜き取り確認だけで済み、移動や段取りの負担も軽減されました。
帳票や図面の作成時間も大幅に短縮されました。Hatsulyで平面図やグリッド図が自動生成されるため、CADで展開図をゼロから起こす作業が不要になり、作業時間は体感で約半分になりました。発注者にとっても形状や深さ位置が一目で分かる帳票になり、合意形成が早まりました。
全体のフローを比較してみると、従来方法で10箇所あたり240分かかるところが、Hatsulyを活用することで、10箇所あたり23分の所要時間で完了することが出来ました。
ー発注者とのやり取りはどのように進みましたか?
上川路様:帳票は従来のフォーマットをベースに、3Dモデルのスクリーンショットや計測値を貼り込む形で合意しました。発注者からは「机上確認が可能になり、現場での立会いを削減できる」との評価をいただきました。
堺市発注工事における初の取り組みでしたが、提出物の受け入れに向けた理解が進んだと感じています。
現場での実感と今後の可能性
ー現場での運用面で印象的だったことはありますか ?
上川路様:現場と事務所が同時並行で作業できた点が印象的でした。点群データをアップロードすると事務所側がすぐ確認でき、不備があればその場で撮り直し指示を出せます。
従来のように写真を持ち帰ってから気づくのではなく、リアルタイムで修正できるのは大きな改善でした。
ー最後に、Hatsulyをどの程度おすすめできますか?
上川路様:操作性や導入効果は非常に高く評価しています。帳票の仕上げ部分には改善の余地がありますが、総合的に見て10点満点中9点としました。
今後さらに改善が進めば、より多くの現場で有効に活用できると考えています。