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【OmniSLAM導入事例】地上型レーザー15年のプロが認めた「驚愕の精度」。“据えずに歩くだけ”で地上型に迫る3次元計測へ(中部復建株式会社)

作成者: 広報室|2026/08/07 4:01:36


中部復建株式会社は、中部地方を拠点に、公共事業に関わる測量・補償・設計を手がける建設コンサルタントです。中でも地上型3Dレーザースキャナ(TLS)による3次元計測にはおよそ15年前から取り組み、豊富な経験と技術力を積み重ねてきました。

今回は、次世代モバイル3Dスキャナ「OmniSLAM R8+」を導入いただいた背景について、同社取締役の池端様にお話を伺いました。長年地上型レーザーを扱ってきたプロフェッショナルからみたOmniSLAM R8+の評価をお伝えします。

ー  中部復建株式会社 池端様

 

 【目次】

 

 

据えて測る  —  地上型レーザーの課題

ーまずは、これまで主に使われてきた地上型レーザー計測の課題について教えてください。

池端様
地上型はやはり「据え付けなければならない」というのが一番大きいですね。いわゆるTLS(地上型レーザースキャナ)は、据えて回して、また移動して据えて回して、の繰り返しです。出始めの頃は位置特定のためのターゲットスキャンを含む1回のスキャンに約20分かかっていました。今の最新機種は1回のスキャンが2分ほどまで速くなりました。

さらに厄介なのが死角です。据え付け型なのでどうしても死角が出てしまい、それを補おうとすると設置回数が増えていく。すると点群データがどんどん重くなり、後処理でパソコンが動かなくなってしまうんです。

 

データ容量や後処理の負担は、具体的にどれくらいだったのでしょうか。

池端様
最大で30GBくらいになると、もうパソコンがほとんど動きません。ワンスキャンずつ取ったデータを結合していく作業が必要で、スキャン回数が多いほど時間がかかります。夕方にデータを吸い上げて一晩中パソコンを回しっぱなしにして、朝来たらできている、あるいは、パソコンが暴走してダメになっていた、なんてこともありました。

3次元点群処理用のハイスペックPCを1台用意していますが、それでも50回を超えるスキャンになると、処理に必ず一晩かかってしまう。1回1回据えて取らなければならないのが、やはり一番のネックでした。

 RTC360を据え付けている様子 

 

「絶対に使えない」—  プロが抱いていた先入観

ーハンディ型のSLAMについては、いつ頃から検討されていたのですか。

池端様
正直に言うと、SLAMが出始めた頃は「これ、本当に使えるのか?」という印象でした。我々は地上型の高精度な点群を見慣れていますから、数年前に初めてハンディSLAMの点群を見せてもらったときは「なんじゃこりゃ」と。正直、「SLAMなんて絶対に使えない」という先入観すらありました。

ところが今年に入って、最新のハンディSLAMを何機種か見る中で、その印象が大きく変わりました。ある機種を自社に呼んでデモをしてもらい、会社の周りをぐるっと歩いて取得したデータを見て「これはすごいな」と。地上型のデータと比べても、かなり精度が良くなってきていると感じ、ハンディSLAMもここまで来たか、と認識を改めました。

ーそこからOmniSLAMを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

池端
ちょうどその頃、DataLabsの担当者が橋梁点検の現場にOmniSLAMをパッと持ってきたんです。「どうしたの?」と聞いたら「これはすごいですよ」と(笑)。OmniSLAMのスペックには高い絶対精度が書かれていて、正直、最初は「こんな数字、本当に出るのか」と半信半疑でした。ちょうどその場に自社保有の地上型もありましたから、これは確かめてみよう、と。

 

地上型と重ねて検証  —  “据えずに歩くだけ”の実力

ー実際に、ご自身の地上型のデータと重ね合わせてみて、結果はいかがでしたか。

池端
重ね合わせてみたら、ほとんど差が出なかったんです。据え付けもせず、ただ歩いて取っただけのデータが、時間をかけて何度も据えて測った地上型と、ここまで合う。15年ずっと地上型を見てきた私からすると、これは本当に驚きでした。半信半疑だったスペックが、決して大げさではなかったわけです。まさに「驚愕の精度」ですよ。

OmniSLAM R8+で計測している様子

RTC360とOmniSLAM R8+の点群データを重畳表示させたもの

 

RTC360とOmniSLAM R8+の横断断面の比較をしたもの

 

ー精度以外の面でも、手応えはありましたか。

池端: 
点群だけで、チョーキング(損傷箇所のマーキング)や路面のひび割れまで、しっかり視認できました。点検で実際に見たい情報が、歩いて取っただけの点群にちゃんと写り込んでいる。これは大きいです。

もちろん、コンマ数ミリを厳密に問うような計測では、まだ地上型に一日の長があります。ただ、据え付けも交通規制も要らず、短時間で、これだけの精度と情報量が取れる。その総合力を考えれば、現場によってはOmniSLAMのほうが明らかに有利です。地上型とSLAM、それぞれの得意分野を現場に応じて使い分けていくのが現実的だと考えています。

 

Marklyを活用した橋梁点検での活用

ー橋梁点検では、その点群をどのように活用していく想定でしょうか。

池端様:  
橋梁点検では、先ほどお話ししたMarklyと組み合わせた活用を想定しています。OmniSLAMで取得した点群から、変状箇所を3次元的に表し、図面や写真と紐付けて管理する、という形です。据え付けの要らないOmniSLAMなら、点検のためのデータ取得そのものが手軽になります。

Marklyにて路面のひび割れを検出したデータ

 

現場ごとに広がる活用イメージ

ー今後、OmniSLAMをどのような場面で活用していく予定ですか。

池端様:  
大きく分けて3つ考えています。1つ目は公共測量です。地上測量(現地測量)であれば、SLAMはもう十分に使えます。国土地理院のマニュアルも整備され、公共測量でも堂々と使える環境になってきたので、地上型からSLAMへ置き換えていくつもりです。

2つ目が、先ほどお話ししたMarklyを活用した橋梁点検です。そして3つ目が、トンネルなどの地下構造物の計測作業です。真っ暗で、のっぺりとした形状の場所でもしっかり点群が取れるのは、これまた驚きでした。GNSS(衛星測位)が届かない環境で、地上型に近い精度を、大がかりな規制もかけずに短時間で取得できるという点に、大きな可能性を感じています。

ーもう一つ、設計担当の方がご自身で現地を計測できるようになる、という点も期待されているそうですね。

池端様:  
そこは面白いところだと思っています。これまでは、設計側が「ここの地形が足りないから測ってきてほしい」と測量部署に依頼しても、「測量は測量で工程が詰まっているからできない」となりがちでした。でもSLAMなら、設計担当が現地踏査で現場に行った際、その場で歩いて地形を取れる。設計担当は必ず現場を見に行きますから、そのときにSLAMを持っていけばいい。部署間の依頼や調整の手間がまるごと要らなくなるわけです。

 

OmniSLAMへの評価と今後の期待

ー他社製のSLAMも比較検討された中で、最終的にOmniSLAMを選ばれた決め手は何でしたか。

池端様:  
他社のハンディSLAMも、点群としては一定の条件下であれば使える品質でした。ただ、精度という点でOmniSLAMが明確に上でした。価格は他社製品より数百万円高かったのですが、それでもこの精度は、その差額を補ってあまりある価値がある、そう判断しました。

ーおすすめ度をお聞きすると、いかがでしょうか。

池端様:  
10点満点でいえば8点ですね。残りの2点は、正直に言えば価格です(笑)。もう少し手頃になれば言うことなし、というところです。とはいえ、その価格差を踏まえてなおOmniSLAMを選んだのは、精度と、これから広がる活用の可能性に、それだけの価値を感じたからにほかなりません。

ー最後に、どのような企業におすすめしたいですか。

池端様:  
地上型レーザーを長く使ってきて、据え付けや後処理の負担を感じている測量会社・建設コンサルには、特に価値があると思います。据えずに歩くだけで、地上型に迫る精度の点群が取れる。そして、地上型とSLAMを組み合わせれば、現場に応じた最適な計測ができるはずです。我々もこれから、その組み合わせ方を追求していきたいと考えています。