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【Markly導入事例】「30分の説明が10分に」。“3Dで『ここです』と一発で見せる”ことで変わった、橋梁点検の発注者協議(株式会社昭和土木設計)

株式会社昭和土木設計は、岩手県矢巾町に本社を置く建設コンサルタントです。測量・地質調査・補償コンサルタントも手がけ、橋梁やトンネル、道路、河川など幅広い分野の調査・設計を担っています。技術承継や担い手確保を目的にBIM/CIMの専門部署を設けるなど、新技術の活用にも積極的に取り組んできました。
今回は、昨年度から3Dインフラ点検システム「Markly」を橋梁点検に活用し、今年度も継続してご利用いただいている同社橋梁構造課の横澤様にお話を伺いました。現場を見ていない発注者に、図面と写真で点検結果を伝える ―― その協議は、3Dになってどう変わったのか。
【目次】
- 図面と写真で伝える — 従来の点検協議の課題
- 特記仕様書がきっかけ — 点群に損傷を“描き込む”Markly
- 「3Dでここです」と一発で — 発注者協議が変わった
- 全体を見渡せるから — 損傷の見落としを防ぐ
- Marklyへの評価と今後の期待
ー 株式会社昭和土木設計 横澤様
図面と写真で伝える — 従来の点検協議の課題
ーまずは、橋梁点検の結果を発注者に説明する場面について教えてください。
横澤様:
発注者の方と点検結果をすり合わせる協議があります。判定区分はⅠからⅣまでありますが、例えばⅢと判定すれば、基本的には「5年以内に直しましょう」というスタンスになります。つまり、補修業務として発注するかどうかという判断につながる。「こういった損傷があるので、このような判定でよいですよね」という最終確認を、発注者にしていただく場なんです。
ーその協議では、これまでどのように説明されていたのでしょうか。
横澤様:
基本的には紙での説明です。まず一般図などの図面を見せて、どんな橋なのか全体を説明します。そのうえで、損傷図や写真といった資料を一つずつ見せて、「ここにこういう損傷があります」と伝えていく流れでした。点検の記録自体も、2Dの図面と点検調書、写真に分かれています。そのため、損傷の全体像をつかんだり、確認したりするのに時間がかかっていました。
ー2次元の資料での説明には、どんな難しさがあるのですか。
横澤様:
発注者の方は、点検の現場に行けないことも多いんです。そうすると現場を見ていない方に、図面と写真だけで状況を想像していただかなければならない。しかも2次元の図面は、慣れていない方が見ると、そもそも何の絵なのかが分かりません。発注者の担当者は2〜3年で異動することが多く、前年度まで河川などを担当していた方が来られることもあります。専門家同士なら図面で通じますが、そうでない相手に伝えるのは難しい部分でした。
2Dの情報のみから現況を把握することが難しく、情報も分散している
特記仕様書がきっかけ — 点群に損傷を“描き込む”Markly
ーMarklyを使い始めたきっかけは何だったのでしょうか。
横澤様:
橋梁点検業務で、「新技術の活用」が求められていたことがきっかけで、その要件に応えるためにMarklyを採用しました。
ー実際にはどのように使われているのですか。
横澤様:
スマートフォンやタブレットのLiDARで現場を計測し、損傷や部材の取り合いを立体的に記録します。その3Dモデル上に、損傷箇所と損傷内容、写真を紐付けていく形です。

スマートフォンで点群データを簡単に取得
ー点群データだけでも現場の様子は分かりますが、Marklyで描き込む意味はどこにありますか。
横澤様:
点群だけでも、損傷の位置や部材の取り合いはある程度分かります。ただ、どこにどれくらいの長さのひび割れがあるのか、どこにどの程度の変状があるのかは、点群をぱっと見ただけでは分かりにくい。Marklyで3Dモデル上に損傷を描き込むことで、それが一目で分かるようになります。
「3Dでここです」と一発で — 発注者協議が変わった
ー発注者との協議では、Marklyをどのように使われたのでしょうか。
横澤様:
打ち合わせの場で、Marklyの画面をモニターに映して見せています。昨年度は、すべての橋でMarklyを使ったわけではありません。そこで、紙でまとめた資料は従来どおり一式用意しました。そのうえで、Marklyを使った橋については3Dでも「こんな感じです」と見せる、補助的な使い方でした。

ー実際に見せたとき、発注者の方の反応はいかがでしたか。
横澤様:
初見では「おお、すごいですね」という反応でしたね。現場に行かれていない方でも、3Dなら実際の橋の姿のまま「ここです」と一発で見せられます。図面を読み解いてもらうところから始める必要がないので、向こうも理解しやすい。協議という面では、すごくやりやすくなったと感じています。
ー説明にかかる時間にも変化はありましたか。
横澤様:
言ってしまえば、30分かかっていた説明が10分で済んだ、というくらいの違いがあります。以前は「ここが桁で、形状がこうなっていて」と、図面と写真から一つずつ説明していました。それが、3Dで位置を見せて「写真を見るとこうなっているので、こう判定しました」で済むようになりました。

クラウド上で必要な情報を一元管理
ーどんな相手にとって、特に効果が大きいと感じますか。
横澤様:
橋にあまり詳しくない方でも、ぱっと見で損傷を把握できる。そういう意味で、誰にでも優しい説明になると思います。専門家同士の話であれば、そこまでいらないと言われるかもしれません。ただ、現場を見ていない方や、異動で初めて橋梁を担当するという方にとっては、この分かりやすさは大きいと思います。
全体を見渡せるから — 損傷の見落としを防ぐ
ー発注者への説明以外に、社内での活用で感じた効果はありますか。
横澤様:
構造物をまるごと取れるのが大きいですね。写真だとどうしても局所的にしか見られませんが、3Dなら全体を見渡せます。現場では気づかなかった損傷について、後から「この損傷に着目するなら、この辺りも怪しいよね」と気づけたことがありました。写真は、撮る人が意識した箇所にしか目が向かないので、どうしてもこぼれが出ます。全体を取っておけば、見返したときに「こっちも悪いね」と拾える。損傷の漏れを防げるのは良かったですね。

点群取得は撮影方法の工夫次第で様々な現場に対応が可能
※川の中での作業時は、見張り役を配置し、事前に水深を確認するなど、安全に十分配慮して作業を行っています。
ーほかにも便利だった場面はありますか。
横澤様:
一度取っておけば、寸法をざっくり当たりたいときにも使えます。損傷の状況や寸法を後からデータで確認できるので、現場に行く回数も減らせます。
Marklyへの評価と今後の期待
ー今後、Marklyにどのようなことを期待されていますか。
横澤様:
今は報告書一式を紙で用意して、Marklyの画面は補助的に見せている段階です。点検調書をクラウド上で一つにまとめられる機能が入ってくれば、活用の場面はもっと増えると思います。理想は、発注者にデータを共有して「見てください」で済むことですね。発注者の方がご自身で3Dを見ながら確認できるようになれば、一番いいと思います。
ー3Dで点検記録を残す流れは、今後広がっていくと感じますか。
横澤様:
動きとしては、そうなっていくと思います。現場の3Dが簡単に取れて、映像もきれいになっていけば、損傷を3Dの上で記録する流れになるのではないでしょうか。国の方でも、3Dで補修記録をまとめていくような取り組みを目にします。その中で、点検調書と3Dモデルを結び付けるというMarklyの方向性は、まだあまり例がない部分だと思うので、光るところだと感じています。
ー最後に、どのような企業にMarklyをおすすめしたいですか。
横澤様:
スマートフォンやタブレットで計測できるので、私たちのような地方の建設コンサルタントでも導入しやすいと思います。特に、点検結果を発注者に分かりやすく伝えることに苦労している会社には、価値があるはずです。橋梁以外の構造物にも広げていけると考えていますし、我々もこれから、使い方を広げていきたいと考えています。
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