コンテンツまでスキップ

【導入事例】Modelyを活用した遠隔臨場による立会検査の実施!写真管理の枚数を1/5に削減、作業時間1/4以上の生産性向上を実現!(佐々木建設株式会社)

お客様余人

徳島県で120年にわたりインフラ整備に携わっている佐々木建設株式会社。今回Modelyにて鉄筋出来形計測についての生産性向上を実現した同社に、Modely導入の決め手や発注者とのやりとりなどについて伺いました。

また、当日は佐々木建設様と親交の深い、同じく徳島で大正15年に創業し徳島県下全域の公共工事に携わっているModelyユーザーでもある井上組様と、株式会社あいコンサルタント代表でICTアドバイザーでもある喜来様も一緒にインタビューにご参加いただきました。

左から

富山様(佐々木建設株式会社)
逢坂様(株式会社井上組)
藤岡様(株式会社井上組)
喜来様(株式会社あいコンサルタント)

 

新技術を活用した若手育成なども実践

ーまずはじめに御社がどのような会社か教えてください

富山さん:
佐々木建設は吉野川の河川工事や四国横断自動車道など、徳島の大動脈とも言えるインフラ整備を中心に、学校、病院などの大型公共建築、アスファルトの舗装工事などを請け負っています。

ー 普段の業務の中で何か大事にされていることはありますか?

富山さん:
若手の育成をどのように進めていくかということを考えています。若手が成長するためには、時間のない中でも、作業の理解を深めてもらうことと、作業を実際に行えるようになることの両方を実践する必要があります。そのため、新技術(Modelyなど)を実際に活用して作業を進めてもらいながら、従来手法も教えることで理解度を上げるというような育成を行っています。

富山さん単独写真

人手がかかる作業の省力化に期待。実際の現場を見ることで活用方法をイメージ

ー配筋検査業務についてはどのような課題感を持っていたのでしょうか

富山さん:
従来の、人手をかけてスケールをあてて写真を撮る、という検査が当たり前でした。そのため、帳票作成や写真撮影など多くの時間がかかってしまっていました。改善のために、段階確認毎に発注者に立ち合いをしてもらうことなども試しましたが、立会頻度が従来よりも増えてしまうなど運用が難しい部分がありました。そこで配筋検査効率化システムがあることを知り、検査を一人で出来てかつ短時間で処理できると良いなという期待感を持ちました。

ーシステム導入などの検討はどのように進められたのでしょうか

富山さん:
今回Modelyを活用している工事(令和4-5年度 福井道路新野改良その1工事)が始まる前に、新しい技術について取り組みを考えていましたが、今回はデジタルデータを活用した鉄筋出来形計測について取り組もうと考えていました。

そこでデジタル写真を使用した配筋検査システムなど含めて、様々なツールについて情報を集めていました。そんな中、あいコンサルタントの喜来さんからModelyの紹介を受けて、井上組さんが先に使用しているという話も聞き、実際現場で一度見学をさせてもらうことになりました。

全体2

ー喜来様はModelyについてどのようにお知りになったのでしょうか

喜来さん:
2年ほど前に井上組さんの現場で写真を活用した配筋検査システムを試す機会がありましたが、鉄筋10本程度の範囲を撮ることが難しいということがありました。これをクリアできるようなシステムはないかと探したところModelyを見つけて、建設・測量生産性向上展にて川北さん(DataLabs CS担当)に説明を受け、活用が出来るのではないかということで井上組さんに紹介しました。

ー井上組様の現場ではどのような構造物でご活用いただいていたのでしょうか

逢坂さん:
河川の樋門で活用しました。鉄筋が佐々木建設さんの現場と違って細かったということもあって、最初、スキャンに苦労しましたが、操作に慣れることで無事Modelyを活用した検査を終えることが出来ました。

富山さん:
井上組さんの現場でのModely活用の様子を見た結果、使い方や今回の工事のボックスカルバートでの活用についてもイメージがわき、具体的に検討を進めていくことが出来ました。

井上組現場井上組様の現場構造物

井上組モデリー上記構造物についてModelyでモデル化した様子

必要な範囲を一度に測定出来ることでの作業効率や精度の向上の実現

ーどのような点を評価してModelyを導入いただいたのでしょうか

富山さん:点群ということで、必要な範囲を一度にスキャンできるという点が良いと感じました。今回施工する鉄筋構造物はボックスカルバートであり、鉄筋間隔の平均値は250mmです。10本程度の鉄筋間隔を計測する必要があるため、概ね2.5m × 2.5mの範囲をスキャンする必要がありました。

足場が干渉するなどの理由から、デジタル写真を活用したシステムでは撮影できるスペースが限られており、必要な範囲が写り切らず複数枚の写真の合成が必要になるなど、導入する上で懸念がありました。

井上組さんの現場で確認したところ、Modelyは点群の取得範囲の懸念がなく、生産性が向上すると期待出来ました。また、点群取得により、写真では捉えきれない細部(例えば、フック筋や幅止め筋の入り方等)まで正確にデータを取得でき、作業効率や精度の向上が見込まれると判断し、採用に至りました。

若手
この現場では現在では若手に計測から帳票作成までを任せている

ー実際にご導入いただいてどのような成果が得られましたでしょうか

富山さん:
当初の想定していた通り、省力化につながったと感じています。具体的には、今まで2人の人員で30分程度かかっていたところを、Modelyでは1人で15分程度で完結することが出来ました。操作自体に慣れは必要なものの、人員を1人減らすことが出来たのは大きいと考えています。

また、従来手法では工程の中で出来形計測について前もって写真を撮るスケジュールを組んで実施する必要がありました。しかしModelyを活用することで、鉄筋が組みあがったらすぐに後ろから2~3分で点群を取得していくということが可能になり、前後の工程のスケジュールに余裕を持つことが出来ました。


ーその他に感じられた良かった点はありますか?

富山さん:
発注者から、幅止め筋やフック筋がちゃんと入っているか、向きは問題ないかなど突発的に確認をされることがあるのですが、点群データとして残っていることで写真がなくても説明することが出来るのは良いと感じました。

また、従来は完了写真に加えて出来形写真も取っていましたが、Modelyを活用することで出来形写真が不要になり、必要な写真の枚数が1/5程度まで減少したのも良かったです。

ー井上組様はいかがでしょうか

逢坂さん:
4月に入ったばかりの新入社員や現場を知らない人でも、Modelyを活用することで現場を動かすことに貢献出来るという点が良かったなと思いました。現場の監督さ
んに対しても役に立てたのではないかと思いました。

喜来さん:
今回の樋門の現場は、動きながらでないと対象範囲のデータを撮れなかったので、iPadのLiDARを活用した点群取得が活きたと思います。

二人

Modelyによる検査を実現した発注者とのやりとり

ーModelyを使用することについて発注者はどのような反応でしたか

富山さん:
初めにModelyを活用しますと伝えたときは、これからの技術の進展を考えて賛成の意向を示していただけました。具体的には「配筋検査に関するシステムは様々あるが、今回の足場を組んでのボックスカルバートの現場ではModelyが一番適していると思うので、試してみます。良かった点、悪かった点については最後にまとめて報告します。」というような伝え方をしました。

発注者様についても、生産性向上については考えているので、実際に施工会社が使ってみての良かった点、悪かった点を知りたがっています。当然ではありますが、メーカーさんは悪いところは出さないですからね(笑)。そういったこともあり、使用することについてネガティブな反応はありませんでした。

ーその後の発注者様とのやりとりはどのように進めましたか

富山さん:
まずは簡単な資料を作成して説明を行いました。その後の進め方としては、基本的にはこちら側がやり方について示したうえで、発注者様に了承いただく形で進めていきました。

また、検査を実際に行う前に、一度現場にお越しいただいて点群取得から帳票作成までの一連の流れを確認していただき、ご納得いただくようにしました。

現場説明

ー実際の検査の流れを教えていただけますか

富山さん:
一連の流れとしては、以下のように行っています。一度このやり方を理解してもらえれば、後は同じことの繰り返しでスムーズに検査を行うことが出来ています。

【佐々木建設様の遠隔臨場による立会検査の流れ】
1.事前の発注者との確認
・施工計画書にてModelyの技術内容等記載
・発注者に対して点群取得から帳票作成までの一連の流れを確認してもらう
・遠隔臨場前に、帳票のPDFデータを発注者に送付

2.Teamsにて遠隔臨場による立ち合い
2-1.完了写真の確認
・ボックスカルバートにおける頂版部&側壁部などの電子小黒板つきの鉄筋組立完了写真を画面共有にて発注者に見せる

2-2.Modely上での帳票確認
・事前に帳票のPDFデータは送付済
・画面共有にて、取得した点群データ、3Dモデル、帳票を発注者に見せて設計値と実測値を確認

2-3.スペーサー個数の確認
・従来はスケールを当てて、平米当たり何個のスペーサーが入っているかの写真を撮っていたが、Modelyの距離計測機能でピッチが分かるため、スケールの設置を省略
・根拠資料としてスペーサー設置個数出来形調書を添付

3.納品物
・鉄筋組立完了写真
・Modelyで出力した帳票
・スペーサー設置個数出来形調書

ー井上組様では発注者様とのやりとりや反応はいかがでしたでしょうか

逢坂さん:
弊社の現場では、点群取得の様子や、モデル化、帳票作成したものを現場で確認してもらう形で実施しました。なのでそういったやり方があるのか!と今、思っています(笑)。それに、悪い点も報告しますと事前に伝えるというのもすごいなと思いました。

喜来さん:
7月にデジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)が出たこともあって、発注者からのネガティブな反応はなかったです。ただ、工事の時期として実施要領(案)が出たばかりということもあり、最初の段階確認の検査は従来方法とModelyを併用して行いました。その後はModelyのみで実施というように段階を踏んでいきました。

議論の様子

今後の期待

ー全体を通してModelyに対する評価を教えてください

富山さん:
従来手法と比較すると、Modelyを活用することで省力化につながっていると感じます。正直導入当初は費用に見合った効果が出るのか、少し慎重な目線で見ていたのですが、現在は費用に見合った効果が出ていると感じています


また、構造物としてボックスカルバートについては活用できることはよくわかったので、その点も良かったです。また別の構造物になったときにModelyが活用できるのかは、再度使ってみて確認する必要があると思っています。

ーModelyに今後期待することはなんでしょうか

富山さん:
改善してほしいと思う点として、かぶり厚検測時の平面モデルの生成が条件によって難しい場合があり、もっと平面モデルの生成をしやすくしてほしいと思います。その他の機能や操作性は問題ないと感じており、かぶり厚の検測の改善がなされたら、現状では文句なしかなと思います。


佐藤(DataLabs CTO):
かぶり厚の検測については現在改修を急いでおり、2023年内には改修を完了し、お試しいただけるようなスケジュールにて進めております。


逢坂さん:
帳票だけではなく、Modelyで生成する3次元モデルに位置情報がつくと面白いかなと思います。


佐藤:
こちらについても以前より他社様からの要望を受けており、近日中に対応予定となっております。


喜来さん:
検査結果がすぐにわかるようなアプリになるとより良いと思います。スキャンのやり直しなどがしやすくなり、ユーザーにとっての利便性があがると思います。


佐藤:
頂いたご意見については、社内でも共有させていただき、今後の機能開発の参考にさせていただきます。

 外

 

Modely

LiDAR付きのiPad等を活用することで点群データを取得し、その点群データを3次元モデルに変換することで、配筋検査における検査項目の実測値を自動で帳票化することが可能です。

NETIS登録技術であり、40社以上の企業にご導入いただいている実績豊富なサービスです。

挿絵-1

 

Hatsuly

「Hatsuly」は、スマホやタブレットで取得したはつり箇所の3次元データを利用して、1人ではつり深さやモルタル量を自動算出し、帳票を作成できるアプリです。3次元データや帳票を発注者と共有することができ、オンライン上で検収を完了できます。

image (57)